2013年にヘアメイクスクールスタート！

スクールスタートは2013年。すでに11期が終わりました。

千歳佳代子がヘアメイクとして国内外の競技会での仕事を始めてから、早くも20年以上が経ちました。

たまたまプロダンサーのパートナーとして海外の競技会に出場した時に、海外の選手たちのヘアセットのセンスが全く日本と違うことに衝撃を受けたことが、ヘアメイクとしての仕事を始めるきっかけでした。

どこが違うのだろう。

どうしたらもっと素敵になるのだろう。

そのような探究が始まりました。

ヘアメイクのスクールでプロの技を多くの美容師の方々と一緒に学ぶ日々です。

ところが、誰に言っても伝わらない事があります。

・崩れないヘア

・西洋人のようなシルエットになるヘア

・ドレスとのバランスが良いヘア

そのような技術は当時の日本では学べるものではなかったのです。

1番の違いは、

「前日にヘアセットをして寝ても崩れないヘア」

というものです。

担当の先生にその工夫を尋ねた時には、少し考えてからこう言われたのを今でも覚えています。

「ヘアセットをしたら寝ません。」

ダンス経験者だからこそできた工夫

その当時ヘアセットは美容室に行く選択肢しかなく、私自身も通っていたのですが、実はあまりの痛さに、競技会当日には頭がガンガン痛すぎて、踊る気持ちになれません。
ダンサーさんの中にはそのような経験をしている人も多くいらっしゃいます。

その経験から、ヘアメイクとしてお客様に接する時には、強さを相談しながら決めています。
もちろん強めがお好きな方もいますが、強いから崩れないということはないのです。

その時の工夫はラビータの指導に生かされています。

ラビータのアーティストがヘアセットをすると必ず言われることが、「痛くない」というものです。

お客様の中には、髪が細くなってしまい、普段結ぶ事がない場合も多く、結ぶことだけでもストレスを感じる場合があります。

また、ダンサーにとって、ヘアセットでストレスを感じるのは本当に辛いもの。
特に選手権など長い競技会は夜まで長い時間をヘアセットをして過ごさなくてはならず、できるだけベストパフォーマンスで過ごせるようにして差し上げたいと思うのです。

そしてもう一つの工夫は、「重くない」というもの。
美容室でセットをしてもらって後で解く時にピンが大量に出てくることはありませんか？
実はラビータでは必要最小限のピンでヘアセットができるようにお教えしています。
意外と知られていないことですが、ピンは鉄製なので、たくさん使うと重いのです。
ダンサーは繊細なので、「ピンが多すぎて重くて気になってしまう」「バランスが取れない」そんなお声もあります。
それもストレスの一因であることを知っていて欲しいと思っています。

ダンサーのヘアメイクはダンスを知っている人に頼むと楽

ダンサーの気持ちを代弁すると、ダンスを知っている人にヘアやメイクを担当してもらえたら、伝わりやすくて楽。

そう思っている方は多くいらっしゃいます。
実際、トッププロの競技会やショーダンス選手権などで、見た目だけを考えて付け毛をつけて、それが崩れてしまったり、重くて踊れないというお悩みを多く聞きます。
たまたま居合わせて、お直しのお手伝いをさせていただいたことも数えられないほどです。

あるトッププロの方の付け毛を競技会の出場ギリギリまでカットし続けた事があります。

担当したセグエ選手の持ってきた付け毛が重すぎるので、ご用意したものと比べてもらったら、半分以下の重さにびっくりされたこともあります。

ヘアセットに合わせた飾りをお持ちしたところ、引き締まったととても喜ばれた事があります。

踊りを見てその場でヘアメイクを変えたこともたくさんあります。

踊りを素敵に見せるため。
踊っていてストレスを感じさせないため。

そのような理由で付け毛をつけることは多いですが、単につければいいというわけではありません。
アドバイスをすることも多いですが、踊った事があるからこそ選手の気持ちが理解できるのかもしれません。

メイクでダンサーそれぞれの個性を引き出す

ダンスメイクというと、「これ！」と決めつけてしまう人もいますが、実はその時々でメイクの技も変わります。

代表の千歳も22年のセグエでのヘアメイクを担当していく中で、コンセプトによってメイクを変えることを求められてきました。

ダンサーとの話し合いで決めたり、提案することもあります。
単に濃くするのではなく、状況によって変える事が必要です。

そして、お客様のメイクは「薄めでお願いしたい」と言われることもあります。
そこも、単に薄いのではなく、必要なことをご説明した上で、作り上げます。

メンバーが育つまで、一人でヘアメイクの出張に行っていた頃は、驚くほどの数をこなしていました。
メイクに関してはお一人20分でお作りしてきています。１時間で３名。
今考えてもよく時間内に収めたと思ってしまいます。
その時に培った技があります。メイクの講座では、それをベースにカリキュラムを組んでいます。
ヘアだけでなく、メイクもしっかり学んでいただき、トータルでサポートできるアーティストが増えていくことを願っています。

ラビータではセンスのある人に技術を身につけていただいています。

ラビータの受講条件は、「社交ダンスに熟知している方」となっています。
長い経験でダンスに関しての知識やセンスが身についている方はもちろん、数ヶ月の経験だったとしても、好きなダンスをさらに素敵に魅せるために、ヘアメイクを学びたいと思っている方も大歓迎です。

もちろん、美容のプロの方は、すでにお客様がいる場合もあり、ご受講の方もいます。
それぞれの経験から身についたセンスを活かして社交ダンス独特のスキルを身につけていただきたいと思っています。

実はパーティー会場で

「美容院に行ってきたのだけれど、お客様がヘアが気に入らなくて出たくないとおっしゃっていて困っています。」

というご相談を受けることも多くあります。
「社交ダンスのヘアメイク」を謳っている美容院が増えてきましたが、需要を考えてメニューに取り入れていても、実際には、ダンサーのヘアメイクを経験して事が少なく、どこかの単発講座で習っただけということもあります。

どの分野にもそれぞれのバランスがあります。
知らなければ作れないバランスがあるのです。
社交ダンスのバランスも独特です。
真似ても何かが違う。
そう感じることもあります。

社交ダンスのヘアメイクに長けた方に、普段のカットや染めをお願いしたいと思っているお客様も多いです。
私もよく相談されます。
その際は、ラビータの卒業生の美容師さんをご紹介することもあります。
できれば、普段の集客にもつながるダンスのヘアメイクを、きちんと理解してくださる美容師さんが増えることを願うばかりです。